転勤時のマイホームについて!売却・賃貸・単身赴任の選択肢も解説

転勤時のマイホームについて!売却・賃貸・単身赴任の選択肢も解説

転勤が決まった際、自宅をどうするか悩む方も多いのではないでしょうか。
売却や賃貸、単身赴任などの選択肢があり、それぞれにメリットと注意点があります。
住宅ローンや維持費を考慮しながら、ライフスタイルに合った最適な決断をすることが大切です。
この記事では、転勤時のマイホームの選択肢について解説しますので、ぜひ参考になさってください。

転勤でマイホームを売却する選択肢について

転勤でマイホームを売却する選択肢について

転勤が決まった際に、マイホームの売却を検討される方は少なくありません。
しかし、大切な資産を手放す際には、さまざまな費用や手続きが伴います。
とくに、売却時に発生する諸費用や住宅ローンの残高については、事前に理解しておくことが大切です。
以下に、これらのポイントを解説します。

諸費用

マイホームを売却する際、まず考慮すべきは不動産会社への仲介手数料です。
一般的には「売却価格×3%+6万円+消費税」が上限額とされ、たとえば3,000万円であれば約105万6,000円ほどかかります。
この計算式は売買価格が400万円を超える場合の上限であり、400万円以下の取引には別の基準が適用されます。
また、売買契約書に貼付する印紙税も必要で、たとえば1,000万円超5,000万円以下の契約書には1万円の印紙税が課されるのです。
軽減措置の適用状況によっては税額が変わる可能性があり、将来的に標準税率に戻る場合もあります。
さらに、住宅ローンが残っている場合には、抵当権抹消の登記費用と司法書士への報酬も発生します。
抵当権抹消の登録免許税は、不動産1物件につき1,000円が目安で、土地と建物2件分なら2,000円ほどです。
売却によって利益が生じた場合には、譲渡所得税が課される可能性がありますが、マイホームの売却では3,000万円の特別控除が適用されることがあります。
要件や適用可否については、専門家に相談して確かめると安心でしょう。

ローン残高

住宅ローンを抱えたままでも売却は可能ですが、売却代金でローンを完済し、抵当権を抹消する必要があります。
しかし、売却価格がローン残高を下回るオーバーローンの場合は、差額を自己資金で補わなければなりません。
このような事態を避けるためにも、ローン残高と物件の売却価格の見込みを事前に把握しておくことが大切です。
また、売却で譲渡損失が出た場合、一定の条件を満たせば他の所得との損益通算や繰越控除が可能です。
制度の適用条件についても、金融機関や税理士などに確認しましょう。
転勤に伴うマイホームの売却は、経済的にも心理的にも大きな決断となります。
諸費用やローン残高などを十分に調査し、早めの準備と専門家への相談をおこなうことで、スムーズな売却を目指しましょう。

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転勤でマイホームを賃貸に出す選択肢

転勤でマイホームを賃貸に出す選択肢

転勤が決まり、マイホームを手放すのではなく賃貸に出すことを検討される方もいらっしゃるでしょう。
大切な資産を有効活用しつつ、将来的に再び住む可能性を残すには、賃貸契約の種類や特徴を理解することが大切です。
ここでは、定期借家契約と普通借家契約の違い、それぞれのメリットについて解説します。

定期借家契約

定期借家契約は、契約期間があらかじめ定められ、期間満了とともに契約が終了するのが特徴です。
更新がなく、貸主と借主が合意すれば再契約を結ぶこともできます。
貸主にとって契約期間が明確で、転勤から戻る時期が予測しやすい場合に適しています。
たとえば、2年間の定期借家契約を結んでおけば、任期が終わるタイミングで確実に自宅に戻ることが可能です。
また、定期借家契約は1年未満の短期間でも契約でき、留学や研修など短期の転勤にも対応しやすいという利点があります。
契約期間が終了すれば、借主は退去しなければならないため、貸主が計画を立てやすいというメリットが大きいです。

普通借家契約

普通借家契約は、契約期間が満了すると、借主の希望によって契約が更新されるのが一般的です。
通常は2年間の契約期間を設定し、借主が継続して居住を希望する限り自動的に更新されます。
貸主が契約を終了させるためには、正当な事由が必要で、借主の居住権が強く保護されている点が特徴です。
そのため、貸主が自宅に戻りたいと思っても、借主の合意が得られなければ退去してもらうことが難しい場合があります。
一方で、長期的に安定した家賃収入を見込めることから、資産運用としてマイホームを活用したい方に向いています。
また、契約期間中であっても家賃の増減額請求が可能で、経済状況や近隣相場に応じた家賃の見直しをおこなえる点も普通借家契約の特徴です。

メリット

定期借家契約では、契約期間満了後に確実に物件を取り戻せるため、転勤期間が限られている場合に適しています。
短期間であれば、相場よりやや低めの家賃を設定しても、空き家期間を減らせる利点があります。
普通借家契約は、借主の長期入居が期待できる分、安定的な家賃収入を得られる可能性が高いです。
さらに、賃貸に出すこと自体に、空き家状態を避けて建物の劣化を抑え、資産価値を維持しやすくするというメリットがあります。
どちらの契約形態を選ぶかは、転勤の期間や将来の住まい方を考慮して判断すると良いでしょう。

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単身赴任の選択肢について

単身赴任の選択肢について

転勤が決まり、マイホームをどうするか悩む方には、単身赴任という手段もあります。
家族と離れて暮らすことになるため、住まいや生活費だけでなく、家族の心理面やお子様の学校生活など、幅広い影響を考慮する必要があります。

補助

単身赴任をする場合、多くの企業では従業員の負担を軽減するために、補助や手当を用意しています。
単身赴任手当や住宅手当、通勤手当などが一般的で、赴任先での生活費や家族と離れて暮らすための追加出費をサポートします。
企業によっては帰省手当を支給し、一定の頻度で家族のもとへ帰る交通費を補助してくれる場合もあるのです。
これにより、家族とのコミュニケーションを保ちやすくなり、心理的な負担がやわらぐことが期待されます。
また、近年ではテレワークを推進する企業が増え、単身赴任をせずに遠隔地で業務を継続できる仕組みを整える動きも見られます。

学校

単身赴任によって保護者が不在となると、お子様の学校生活や行事への参加が制限される可能性があります。
父親または母親のどちらかがいないことで、子どもの心理的な安定が損なわれるケースも指摘されているのです。
とくに、学業面や友人関係だけでなく、家庭内コミュニケーションが減ることで情緒面に影響が及ぶことが懸念されます。
また、単身赴任を選択した世帯であっても、就学援助制度を適用される場合がありますが、所得要件や自治体ごとの取り扱いによって異なります。
加えて、家族機能の低下や親子の触れ合いの機会が減ることが、子どもの成長や保護者自身の心身の健康に影響を与える可能性も考えられるでしょう。
単身赴任は、家族にとって経済的メリットとデメリットの両面を持つ選択肢です。
企業からの補助制度や公的支援を上手に活用し、家族全員が納得できるかたちで準備を進めることが大切です。
家族間で十分に話し合い、将来の生活設計やお子様の学校生活を見据えたうえで決断しましょう。
単身赴任は、家族が離れ離れになるため、精神的・経済的負担も大きい選択肢です。

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まとめ

転勤時のマイホームの対応方法には、売却、賃貸、単身赴任の3つの選択肢があります。
売却時はローン残高や諸費用を確認し、賃貸では契約形態による条件の違いを把握することが重要です。
単身赴任を選ぶ場合は、補助制度の利用や家族の生活環境を考慮し、最適な決断をしましょう。