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相続時の遺産分割協議とは?起こりえるトラブルと解決策もご紹介!

相続時の遺産分割協議とは?起こりえるトラブルと解決策もご紹介!

不動産を相続するとき、まずは遺産分割協議を終えなくてはなりません。
遺産分割協議のなかではいくつかのトラブルが予想されるため、手続きの詳細は事前に確認しておいたほうが安心です。
そこで今回は、相続時の遺産分割協議とは何か、起こりえるトラブルとその解決策をご紹介します。

相続時の遺産分割協議とは

相続時の遺産分割協議とは

遺産分割協議とは、相続人の全員でおこなう、遺産の分け方に関する話し合いです。
実施するのは、遺言書がないときや、遺言書の指定とは異なる形で遺産を分け合いたいときなどです。
たとえ遺言書があっても、遺産分割協議で相続人の全員が合意すれば、遺言書の指定とは異なる形で遺産を分け合えます。
合意した内容が、民法の規定する法定相続分とは異なる割合でも、問題はありません。
ただし、相続人の全員が合意していることが前提です。
相続人の誰かが反対していたり、そもそも全員が揃っていなかったりしたときは、話し合いの結果は無効とされます。
相続人の誰かが音信不通になっているなど、全員での話し合いが難しい状況でも、例外はありません。

遺産分割協議の進め方

相続の発生後、遺産分割協議をおこないたいときは、まず相続人が誰かを確定します。
相続人をもれなく集めないと、話し合いの結果が無効となってしまうからです。
相続人の調査は、故人の出生から死亡までを辿れる戸籍謄本などを使っておこないます。
故人に隠し子がいると発覚したら、たとえ面識や付き合いはなくとも、相手に連絡を取って話し合いに参加してもらわなくてはなりません。
また、相続人の調査と並行して、故人の財産を調べる必要があります。
相続の対象となっている遺産が不明では、どのように分け合うのかを話し合えません。
くわえて、遺産分割協議の終了後に新たな遺産が出てくると、相続人同士での話し合いが再度求められます。
相続人の1人が遠方に住んでいるなど、何度も話し合うのは難しいケースがあるため、故人の財産は最初の段階でしっかり調べましょう。

話し合いの流れ

相続人と故人の財産をどちらも確定できたら、話し合いを始めます。
最初に決めるのは、各相続人が受け取る遺産の割合です。
各自がどれだけの遺産を受け取るかは、民法の定める法定相続分がひとつの目安になります。
しかし、法定相続分は故人との続柄だけで決まっており、個別の事情は考慮されていません。
故人の介護を主におこなっていた方がいるなど、特別な事情があれば、各自が受け取る遺産の割合を適宜調整しましょう。
次に決めるのは、誰がどの遺産を受け取るかです。
受け取る遺産の割合がそれぞれで決まっても、具体的に何を受け取るかまでは確定しません。
不動産や株式など、現金や預貯金以外にも遺産があるならなら、誰が何を受け取るのかを決めていきましょう。
各自が受け取る遺産の割合や種類について全員が合意できたら、遺産分割協議書を作成します。
今後のトラブルを防ぐため、遺産分割協議書には、相続人の全員で署名したのち、実印で押印するのが一般的です。

相続時の遺産分割協議で起こりえるトラブル

相続時の遺産分割協議で起こりえるトラブル

相続時の遺産分割協議で起こりえるトラブルは、以下のとおりです。

遺産の範囲

遺産分割協議にあたり、遺産の範囲をめぐってトラブルが起きることがあります。
遺産となるのは故人の財産であり、所有者はすでに亡くなっています。
故人の所有物だったのか不明な財産があったとき、確認を取れる相手がいません。
何が遺産になるのかは自分たちで調べて判断するしかないため、相続人同士で意見が対立し、トラブルに発展することがあります。
また、遺産に何があるのか、全体像を把握できずに困るケースも、遺産の範囲をめぐるトラブルの一種です。
ほかにも遺産がある可能性を否定できないと話し合いに入れず、手続きが止まってしまいます。

不動産の分割方法

不動産が遺産になったとき、分割方法をめぐるトラブルがよく起こります。
建物や土地は現金とは異なり、人数に応じてうまく等分できないからです。
相続人の数に合わせて等分すると、建物や土地を共有する形になりやすく、使い勝手が悪くなってしまいます。
そうかといって特定の方が単独で取得すれば、公平な遺産分割になりません。
特定の方が不動産を取得するなかで公平性を保つには、不動産を取得した方がほかの相続人まで代償金を支払うのがひとつの方法です。
しかし、不動産は高価な資産であり、公平性を保つための代償金は高額になります。
不動産を取得する方に十分な資金力がないと、代償金を支払う方法は使えません。
以上のような難しさから、不動産をどのように分割するかでトラブルが起きる可能性があります。

不動産の評価方法

不動産には定価がなく、遺産となった建物や土地にどれほどの価値があるかは、個別に評価しなくてはなりません。
しかし、評価方法にはいくつか種類があり、どれを用いるかで遺産となった不動産の価値が変わります。
不動産の価値が変われば、遺産分割の公平性が異なってくるため、不動産の評価方法は大事なポイントです。
どの評価方法が適切かで意見が対立し、相続人同士のトラブルにつながるケースが珍しくありません。

相続時の遺産分割協議におけるトラブルの解決策

相続時の遺産分割協議におけるトラブルの解決策

相続時の遺産分割協議におけるトラブルの解決策は、以下のとおりです。

解決策①相続が起きる前からしっかり話し合っておく

相続の発生後に遺産の分け方を一から話し合うと、親族同士でも意見が合わないケースが多いです。
対立のリスクを減らす解決策としては、時間をかけてしっかり話し合うのが有効です。
相続が起きる前から話し合いを始めておくと、互いに落ち着いて話ができ、意見がまとまる可能性が高くなります。
また、相続が起きる前なら、将来の被相続人が間に入れます。
たとえば、親が子どもたちの間に入って話をすれば、子ども同士で意見が対立しにくくなるものです。
時間をかけて話し合っても意見が合わないときは、将来の被相続人を交えて話し合ってみましょう。

解決策②家庭裁判所で調停・審判を受ける

遺産分割協議でトラブルになったときは、家庭裁判所で調停・審判を受けられます。
まずおこなわれる調停とは、裁判所の調停委員をとおして話し合いを進める手続きです。
相続人同士では意見が対立して話がまとまらなくとも、第三者をとおすと合意にいたる可能性があります。
調停で合意にいたらなかったときは審判に移行し、遺産の妥当な分け方を裁判官が判断します。
最終的には何らかの結論を出してもらえるため、個人間の話し合いで合意にいたらないときは、家庭裁判所の調停・審判が解決策として有効です。

解決策③遺言書を作成する

被相続人が事前に遺言書を作成しておくと、相続人同士で遺産の分け方を決める必要がなくなり、トラブルが起きにくくなります。
ただし、有効とされる遺言書には要件があり、作成には専門知識が必要です。
また、分割方法の公平性に配慮するなど、遺言の内容が適切なものとなるよう注意しなくてはなりません。
遺言書がかえってトラブルの原因とならないよう、遺言書は専門家の力を借りながら作ることをおすすめします。
くわえて、遺言書とは異なる形での遺産分割が制度上は可能なため、遺言の内容を実行する遺言執行者を指定しておくとより安心です。
指定した相手に遺言を実行する権限を与えておくと、遺言書の記載どおりに遺産が分割され、相続がスムーズになります。

まとめ

遺産分割協議とは、相続の発生後に相続人同士でおこなう、遺産の分け方に関する話し合いであり、まずは相続人と遺産を確定するなど、一定の流れで進めます。
起こりえるトラブルには、遺産の範囲や不動産の分割方法・評価方法をめぐって、相続人同士で意見が対立するケースが挙げられます。
トラブルの解決策としては、相続が起きる前から話し合いを進めたり、家庭裁判所を利用したりするのが有効です。