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マイホーム購入時にかかる「頭金」とは?相場と支払い時の注意点も解説

マイホーム購入時にかかる「頭金」とは?相場と支払い時の注意点も解説

マイホームとして不動産を購入すると、頭金の支払いが必要になります。
頭金の意味やマイホームを購入するときの頭金の目安、気を付けておきたい注意点などを知っておくと、頭金に関する不安払しょくにつながるはずです。
今回はマイホーム購入時にかかる頭金とは何か、金額の相場と注意点を交えて解説します。

マイホームを購入するときにかかる頭金とは

マイホームを購入するときにかかる頭金とは

マイホームを購入するタイミングで支払う頭金とは、住宅ローンを組んで不動産を購入するときに、自己資金から捻出して支払う最初のお金のことです。
頭金として支払った金額はマイホームの価格から差し引かれるため、毎月負担する住宅ローンの総額は、マイホームの購入代金から頭金をのぞいた金額となります。

マイホームを購入するときに頭金を支払うメリット

マイホームを購入する時点で頭金を支払っておくと、毎月負担する住宅ローンの返済額を少なくできます。
頭金として支払った金額の分だけ借り入れ額も減るため、頭金なしでマイホームを購入するよりも月々の支払い額を抑えられ、金銭的な負担軽減につながるのです。
たとえば3,000万円のマイホームを購入するにあたり、金利1%の住宅ローンを35年返済で組んだケースを考えてみましょう。
頭金なしだと、毎月約8万5,000円の負担が必要になり、返済総額はおよそ3,600万円です。
一方で頭金として500万円支払っておくと、毎月の返済額は7万円強となり、返済総額も3,000万円を下回ります。
頭金を足しても返済総額は100万円ほど安くなるため、少しでも金銭的な負担を軽くするには頭金を多めに用意したほうが良いでしょう。
また、金銭的に余裕があるのであれば、月々の返済額を増やして返済期間の短縮を図ることも可能です。
返済期間が短くなると返済総額も抑えられるため、よりお得にマイホームを購入できるといえます。

頭金を支払うタイミング

頭金の支払いは、マイホームの売買契約を結んでから引き渡しがおこなわれるまでの間に済ませます。
なお、頭金と間違われやすい費用に「手付金」がありますが、手付金はマイホームの売買契約を結ぶ日に現金にて支払うお金を指します。
売買契約が成立したことを証明するための費用であり、支払うタイミングはもちろん、意味合いも頭金とは大きく異なるため注意しましょう。
手付金の支払い後に売買契約を解除するとき、売主の都合によるものは手付金の倍額の支払いが、買主都合であれば事前に支払った手付金の放棄が必要となります。

マイホームを購入するときに支払う頭金の相場

マイホームを購入するときに支払う頭金の相場

マイホームを購入するにあたり、頭金として支払う金額をいくらに設定すべきか迷うところでしょう。
基本的にはマイホームの購入代金のうち1割程度の金額を頭金とするケースが多いです。

物件の種類別にみた頭金の相場

2021年度における「フラット35利用者調査」によると、頭金を多く払っているのがマンションタイプ購入時で、平均額は約786万円です。
次いで金額が高いのは注文住宅で約597万円、中古のマンションと土地を含めた注文住宅はそれぞれ約410万円台後半でした。
なお建売住宅は約270万円、中古一戸建ては210万円台であり、両者はほかの物件と比べても平均額が低い結果となりました。

実際にマイホームを購入するときに支払った頭金の相場

次に、実際にマイホームを購入して支払った頭金の相場を確認しましょう。
リクルートが首都圏の新築マンションを購入した方を対象におこなった動向調査によれば、頭金の平均額は約1,200万円でした。
一見すると頭金の相場は高額傾向にあると考えられますが、実際は調査対象のうち3割以上の方が200万円を下回る金額を頭金として設定しています。
そのほかの割合としては200万~600万円未満の方が約2割強、600万~1,000万円未満が8%ほどとの結果となりました。
なかには1,500万円以上もの金額を頭金として支払う方も2割以上存在していて、頭金の額はケースごとに大きく異なるといえるでしょう。
また、同調査におけるマイホームの価格に占める頭金の割合データも公表されており、平均割合は19.1%でした。
内訳は5%未満がもっとも多く全体の4分の1弱で、20%未満と回答した方まで含めると7割近くにものぼります。
無理のない範囲で頭金を設定するのであれば、マイホーム価格の約2割が相場といえるでしょう。

頭金ゼロでマイホームを購入するリスクとは

かつて頭金ゼロでマイホームを購入しようとしても住宅ローンが組めませんでしたが、今は問題なく購入できる状態となりました。
ただし、頭金として一定額を支払っておかないとマイホーム価格を全額住宅ローンで負担する必要が生じ、総返済額も増額されます。
住宅ローンによっては頭金を支払うときよりも借り入れ金利が高くなり、総返済額が数百万円増えることもあります。
将来的な負担軽減のためにも、できる限りの金額を頭金として支払っておくのが賢明です。

頭金を支払うときの注意点

頭金を支払うときの注意点

マイホームを購入するときに支払う頭金の注意点は「諸費用」と「払い過ぎ」の2点です。

注意点①諸費用を考慮して頭金の額を設定する

マイホームを購入するときの注意点は、支払う費用は頭金だけではない点です。
住宅ローンを組むための手数料をはじめ、不動産会社に支払う仲介手数料や不動産所得税、マイホームの登記費用なども支払う必要があります。
諸費用は原則として現金払いとなるため、マイホーム購入時は頭金だけでなく諸費用も含め、ある程度まとまった金額を現金で用意しなければなりません。
ちなみに諸費用の相場は物件の種類によって異なり、安く抑えられるときはマイホーム価格の3%以上、高額になると10%にのぼるケースもあります。
物件ごとに異なる諸費用の相場をまとめたものがこちらです。

●注文住宅:マイホーム価格の3~6%
●新築一戸建て:マイホーム価格の6~9%
●新築マンション:マイホーム価格の3~6%
●中古一戸建て:マイホーム価格の6~9%
●中古マンション:マイホーム価格の6~9%


諸費用と頭金を併せて現金を用意するときは、マイホーム価格の2~3割にあたる金額を目安にすると良いでしょう。

注意点②頭金を支払い過ぎない

住宅ローンの負担を軽減するため、マイホーム購入時に、手持ちの現金すべてを頭金として支払うのは避けたほうが無難です。
頭金を支払ったあとでも貯金を残しておくことは、重要なポイントといえます。
マイホームを購入する時点では問題がなかったとしても、今後の生活において何が起こるかはわからないものです。
たとえば、自分あるいは家族が突然大きな病気を患ったり事故に遭ったりして、手術や入院の必要性が生じる可能性はゼロではありません。
子どもがいる家庭では進学費用を工面しなければならないうえ、進学先として私立学校を選択すると多額の出費を要します。
もし頭金で貯金を使い果たすと、これらの状況に陥ったとしてもお金を用意するのが困難になることが予想されます。
資金援助できず、子どもに進学先を変更してもらわなければならない事態が発生する可能性も十分考えられるでしょう。
不測の事態が発生しても無理なく対応できるよう、ある程度のお金を手元に残したうえで頭金の額を決めてください。

まとめ

頭金とは、マイホームの売買契約において、不動産価格の一部として先に支払う金額のことです。
頭金の相場はマイホーム価格の2割ほどの金額を目安と考えて良いでしょう。
諸費用を含めて計算することや、貯金を使い過ぎないなどの注意点を踏まえたうえで頭金の額を決めることが大切です。