不動産購入時に利用できるローンの種類は?選び方のポイントと金利を解説

不動産購入時に利用できるローンの種類は?選び方のポイントと金利を解説

土地や建物を購入するときに、一括払いをする人はほとんどいないため、多くの人が住宅ローンの利用を検討しているのではないでしょうか。
金融機関が提供しているローンにはいくつかの種類があり、それぞれ金利や審査項目が異なるため、ご自身に適したものを選ぶ必要があります。
本記事では、不動産購入時に利用できるローンの種類をお伝えしたうえで、ローン選びのポイントと金利について解説します。

不動産購入時に利用できるローンの種類

不動産購入時に利用できるローンの種類

土地や建物を一括購入できないのであれば、住宅ローンの契約が必要です。
住宅ローンを大きく分けると、民間融資・公的融資・自治体融資・協調融資の4種類に区分されます。
民間融資とは、銀行・信用金庫などの民間企業が提供する金融商品で、審査基準を満たしていれば個人でも低金利で高額な借り入れが可能です。
銀行・信用金庫のほかに、住宅ローン専門会社・生命保険会社から融資を受けたり、不動産会社やハウスメーカーが金融機関と提携してしている提携ローンを利用したりできます。
新居を買うときにお世話になった会社に提携している金融機関があれば、手続きや審査スピードが比較的早い上、優遇金利が適用されたり手数料等が安くなったりする可能性が高いです。
新居を探したり買ったりするためには時間・手間・費用がかかるからこそ、提携ローンで負担を軽減できれば新生活もスムーズに始められるでしょう。
公的融資とは、国が運営する独立行政法人や自治体等の公的機関が提供する金融商品で、財形持家転貸融資・財形住宅融資と自治体融資の2種類に細分化されます。
財形持家転貸融資・財形住宅融資とは、独立行瀬法人勤労者退職金共済機構と独立法人住宅金融支援機構が提供する金融商品で、公的融資といえばこの2種類を利用するケースが多いです。
財形貯金を1年以上維持し続けているか、預金残高が50万円以上位あるかなど適用要件を満たしていれば借り入れ可能ですが、勤め先が財形貯蓄の福利厚生を採用していない場合は利用できません。
財形貯金とは、会社が毎月の給料から借り入れに対する返済分を天引きして、代理で送金・貯蓄する福利厚生の一種であり、すべての会社が取り入れているわけではありません。
自治体融資とは、地域ごとに自治体が提供している金融商品で、収入・居住期間・年齢などの適用要件を満たしていれば借り入れ可能です。
すべての自治体が独自で融資をおこなっているわけではないため、自治体融資の有無や適用要件については、各自治体のホームページを確認してみてください。
協調融資とは、独立法人住宅金融支援機構と民間金融機関が提携している金融商品であり、最近ではフラット35が代表的です。
フラット35は、一定の技術基準を満たしている中古物件を買った人に対して融資をしており、一定期間の金利の引き下げなどの債務者の負担が軽減される優遇がついてきます。
そのほかに「フラット35S」「フラット35子育て支援型・地域活性化型」「フラット35リフォーム一体型」など多種多様な金融商品が出ているため、適用要件を満たすものがあるかを確認してみてください。

不動産購入時の住宅ローン選びのポイント

不動産購入時の住宅ローン選びのポイント

数千万円単位の借り入れができる住宅ローンは、「新居を購入したいけど一括払いはできない」場合です。
不動産購入時の住宅ローン選びのポイントとして、金利タイプ・上限借り入れ額・返済期間・借り入れ先・返済方法の5点を意識してみてください。
金利タイプは、固定金利型・変動金利型・固定金利期間選択型の3種類から選択可能です。
現在は低金利が続いているといわれている住宅ローンですが、1%の変動で総返済額は最大600万円以上変わる可能性があるため、慎重に選ぶ必要があります。
上限借り入れ額は、各金融機関によって異なります。
住宅ローン審査の明確な基準は公開されていないものの、基本的には年収・年齢・雇用形態・預貯金などの条件をもとに審査がおこなわれるため、申し込みをすれば誰でも借り入れできるわけではありません。
借り入れができても上限借り入れ額が低く設定される可能性もあるため、できるだけ多くの借り入れを検討しているのであれば、複数の金融商品の審査を受けてみてください。
返済期間は、最長35年から選択可能です。
返済期間を長く設定すれば毎月の返済額は安く抑えられるため負担は軽減されますが、利息の支払額は上乗せされるため総返済額は高額になります。
返済期間を短く設定すれば利息の支払額は最小限に抑えられて総支払額も少なくなりますが、毎月の返済額が高額になるため経済状況によっては生活費が圧迫される可能性が懸念されます。
子どもの教育費や親の介護費などを考慮したうえで、各家庭のライフプランに合わせて、毎月の返済額を減らすべきか総支払額を減らすべきか検討してみてください。
借り入れ先は、民間融資・公的融資・自治体融資・協調融資から選択可能です。
基本的には民間融資を利用する債務者が多いですが、勤め先の会社や住んでいる地域で金利優遇が受けられたり、返済が滞ったときのサポートが受けられたりするのであれば公的融資・自治体融資もおすすめです。
民間融資のなかでも不動産会社やハウスメーカーと提携している金融商品があれば、審査までの期間が短縮されたり、手数料など本来は発生する諸費用が無料になったりする可能性があります。
数千万円単位の借り入れをするのであれば、契約内容も複雑になるからこそ、後からトラブルが発生しないようにするためにも信頼できる借り入れ先を選ぶようにしてください。
返済方法は、元利均等返済と元金均等返済の2種類から選択可能です。
元利均等返済は、元金返済額と利息の合計額が同じになる方法であり、返済金額が一定になるため金銭的な管理がしやすい特徴があります。
元金均等返済は、返済期間を通じて返済額の内訳の元本分が常に同じになる方法であり、元利均等返済よりも借り入れ額が少額になる代わりに総返済額も少額になります。

不動産を購入するときに利用できるローンの金利

不動産を購入するときに利用できるローンの金利

不動産を購入するときに利用できるローンの金利タイプは、変動金利型・全期間固定金利型・固定期間選択型の3種類に区分されます。
変動金利型とは、返済期間中の不動産市場の金融情勢に応じて利率が見直されるタイプです。
半年に1回のペースで利率が見直されて、5年に1度のペースで返済額が見直されます。
金融情勢が乱れて利率の高騰が起きても、引き上げができるのは1.25倍までと規制がかけられていますが、将来的には返済額が下がる可能性と上がる可能性があるため注意が必要です。
全期間固定金利型とは、返済期間中の利率が一定で返済額が一切変わらないタイプです。
基本的に住宅ローンの返済期間は長期になるため、10年後・20年後に不動産市場の利率が高騰しても金融情勢に左右されずに返済を続けられます。
ただし、変動金利と比較すると最初に設定される利率は高くなりがちです。
固定金利選択型とは、契約後の5年や10年など一定期間のみ利率を固定させて、その後は返済期間中の不動産市場の金融情勢に応じて利率が見直されるタイプです。
固定させる期間が短いほど低い利率が設定されますが、金融商品によっては期間に応じて優遇されるシステムも採用されています。

まとめ

土地や建物を購入するときに利用できる住宅ローンには、さまざまな種類があります。
数千万円単位で借りられるからこそ、審査基準が厳しく設定されている金融商品も多くありますが、毎月の返済額・将来的な総返済額を考慮して最適な借り入れ先を見つける必要があります。
不動産会社やハウスメーカーと提携している融資、住んでいる地域や勤め先から受けられる融資などもあるため、幅広くチェックしてみてください。